大学 university 2004 7 7
日本の教育水準が向上し、
みんなが大学に行けるようになったことは、素晴らしいことです。
しかし、そこに問題が発生しているのです。
つまり、本当に日本のために働きたい人が埋もれてしまい、
そして、その発見が困難になっていることです。
ここに、現代日本の停滞の原因があると思います。
明治時代ならば、大学に進学するのは、
本当に学問が好きか、日本のために働きたい人か、どちらかだったのです。
ですから、そういう日本を背負って立つ人物を発見するのは、容易だったのです。
私の友人も、野に埋もれている人だと思います。
彼は、優秀な技術者で、論文も英語で発表し、
外国の大学から誘いもあります。
しかし、個人的な事情から外国には行けないと言うのです。
それならば、「日本の大学で教えれば」と言うと、
彼は、「そうしたいけれど、うまく行かない」と言うのです。
その理由は、何だと思いますか。
私が推定するに、こういうことだと思います。
彼の出身大学は、一流大学ではないのです。
彼は、大学院には行っていません。
つまり、博士などの学位はありません。
有力者などのコネがありません。
こういう状況では、日本の有名な大学で、教授になるのは困難だと思います。
これは、気の毒なことです。
彼の家は貧しかったので、
彼は、家から通える大学で、しかも、学費が一番安い大学を選んだのです。
今の日本は、誰でも大学に行けるようになったので、
学歴や肩書きに関係なく、
本当に日本のために働きたい人を発掘できるシステムを確立すべきです。
学歴や肩書きは、一切不問として、実力だけを測定し、人材を発掘していくべきです。
たとえば、履歴書には、学歴を一切書かないというシステムです。
これは、一流大学出身の私が言うことですから、説得力があると思います。
こんなシステムを確立すれば、自分の学歴は無価値なものになりますが、
それでも、日本の将来のためには、こういうシステムが必要です。